南大東のいきもの

独自の生態系

南大東島は、沖縄本島から360㎞も離れている海洋島(一度も大陸とつながったことのない島)であるため、本島とは全く異なる独自の進化を遂げてきました。
他の地域では見ることのできない、南大東島固有の動植物体系を有しています。
代表的なものにはダイトウオオコウモリやダイトウコノハズク等があります。

ダイトウオオコウモリ

ダイトウオオコウモリ (16)

ダイトウオオコウモリは、南北大東島に生息するオオコウモリの固有亜種で、体長約21cm、オスの成獣は翼を広げると1mになります。
顔や脚は暗褐色、体は白色で、オスの成獣になると頸部に黄金色が特徴的です。果実や花や新芽を主食とし、昼間は森の高所で休息し、夜間に活動します。約300~400頭が現存しており、1973年に国の天然記念物に指定されました。開発や森林破壊により生息数は減少し、遺伝的劣化の懸念もあります。この種はクビワオオコウモリ種で、沖縄島のオリイオオコウモリ、八重山諸島のヤエヤマオオコウモリ、口永良部島およびトカラ列島のエラブオオコウモリと亜種関係にあり、太東諸島に長期間隔離されて進化したため、遺伝的に貴重な存在です。

ダイトウオオコウモリは人にいじめられていないので、夜になると神社や公園などに姿を現わしますが、ライトなどで照らしても逃げて行かず、慣れてくると私たちの上を飛び回ったりします。

昼間は木々で眠り、夜になると起き出して果実や花を食べ、満腹になると飛び回り他の個体とじゃれあい、その鳴き声で私たちにその存在を知らせてくれるのです。温暖な時期は夜9時ごろから姿を現します。冬季になると起き出す時間が遅くなります。

ダイトウコノハズク

ダイトウコノハズク (6)

ダイトウコノハズクは、沖縄県南大東島の固有亜種で、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
現在、島全体で約500羽しか確認されておらず、その生息を維持するためには樹林地の永続的な確保が必要不可欠です。しかし、南大東島では台風の影響で樹林地が荒廃し、極狭い面積しか残されていません。特に、移入樹種のモクマオウは台風に弱く、樹勢が衰えたことが影響を大きくしています。対照的に、潜在植生であるダイトウビロウは台風に対して頑健であり、ダイトウコノハズクの生命線です。

ダイトウメジロ

ダイトウメジロ (6)

ダイトウメジロは、南大東島と北大東島にのみ生息するメジロの固有亜種です。

本州のメジロとは異なり、額部分に黄色い羽が目立つのが特徴です。体はスズメよりも小さく、背面は暗緑色で、翼と尾には赤味が強く見られます。また、目の周囲には白い輪があるのが特徴的です。繁殖期以外は小さな群れで生活し、暗い林の中で昆虫や木の実、花蜜などを食べて過ごします。

大池周辺のマングローブのオヒルギの花の蜜を吸う姿がよく見られ、オヒルギの花粉媒介はダイトウメジロなのではないか?と言われています。

ダイトウカイツブリ

ダイトウカイツブリ (107)

ダイトウカイツブリは、全長26cmのカイツブリの固有亜種で、夏羽では首が赤茶色、冬羽では黄茶色をしています。足には各指に水かきがあり、非常に得意な潜水能力を持ち、足だけで泳ぎます。食物としては、小魚、ザリガニ、エビ類、大きな水生昆虫などを食べています。日本全国に分布していますが、ダイトウカイツブリは南大東島で見られる特有の固有亜種です。

南大東島では、カイツブリが「もぐりんちょ」と呼ばれ、すぐに水中に潜る様子が島の方言で表現されています。このユニークな呼び名は島民に親しまれています。また、ダイトウカイツブリの個体群の中には、まれに真っ白な個体が発見されることもあります。アルビノ(白化個体)ではなく、白型個体となります。これにより固有亜種の位置づけとなっています。

ダイトウヒヨドリ

ダイトウヒヨドリ (5)

ダイトウヒヨドリは、全長27.5cmの鳥で、全体が灰色に見える特徴的な色彩を持っています。ヒヨドリは花の蜜や果実が大好物で、これは熱帯を主生息地としていた祖先の名残りです。現在では虫や草の葉、芽も食べますが、花が咲くと蜜を吸いにやってきます。東京ではかつて冬鳥として10月に渡来し、4月に帰っていましたが、現在では留鳥となり、年間を通じて棲むようになっています。

ダイトウヒヨドリはヒヨドリの固有亜種として北大東島や南大東島に生息しています。

アクセス情報

社名 オフィスキーポイント
事業内容 洞窟ガイド
代表者 東 和明
所在地 〒901-3805
沖縄県南大東村在所52 三島商事きらく家L2
TEL 090-5082-4949